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コラム
クリスパタス菌は妊活に効果があるってほんと?
2022.08.26
妊活に最近注目されているのが、膣&子宮内フローラ(細菌叢)です。
もともと子宮には菌がいないと言われていたのですが、検査の進歩によって、子宮にも菌が見つかり、膣内の細菌とほぼ同様であることが分かってきました。
膣内、子宮内にはラクトバチルス属と呼ばれる乳酸菌、いわゆる善玉菌が豊富に存在していてデリケートゾーンのトラブルの元になる悪玉菌の細菌を繁殖させないように働いています。
しかし疲労、免疫低下、ストレスなどが原因で善玉の乳酸菌が減ると、悪玉菌が増えておりものの異常や膣炎が再発する原因となります。
また、善玉菌が減って膣&子宮内の細菌のバランスが乱れていると不妊の原因になると言われています。
特に重要と言われているのが乳酸菌の1つ、ラクトバチルス(L)・クリスパタス菌です。
L・クリスパタス菌は女性の膣内に存在する善玉菌です。この菌は出産の際、お母さんの産道を赤ちゃんが通ることで受け継がれ、赤ちゃんの口腔、腸、腟、泌尿器器官に善玉菌として住み着きます。
この菌が多い人は妊娠しやすいというデータもあり、年齢とともに数は減少します。
善玉の乳酸菌が減って、悪玉菌が優性になると慢性子宮内膜炎となり、子宮内膜で免疫活動が活発になり、受精胚を異物として攻撃してしまう為、妊娠率が低下する可能性があります。
また、最近の研究から子宮内の乳酸菌が減った状態では、流産率も上昇する事が報告されています。
腸内、膣内の乳酸菌が多いと子宮内の乳酸菌も増えるため、受精卵の着床環境が改善するので、妊娠率が上がります。
不妊で治療を受けている女性では、乳酸菌が少ない傾向があるそうです。
不妊治療を受けている102人と健常者7人を対象に子宮内と膣内の細菌を調べた研究があります。
不妊治療を受けている女性では、子宮内及び膣内の乳酸菌が減少しているそうです。(Reprod Med Biol. 2018; 1-10)
そもそも受精卵は母体にとっては異物。
その受精卵を受け入れることで、妊娠出産が成立しますが、子宮内に病原性の菌が存在していたら、どうなるでしょう?その菌を排除しようとして子宮内膜での免疫が活性化し、受精卵の着床まで妨げてしまうのです。
仮に着床したとしても、妊娠の継続が難しくなる事があります。
子宮内は善玉菌の乳酸菌が優勢なことで、悪玉菌を寄せ付けないようにし、妊娠出産に適した子宮内環境を保っています。
膣・子宮の菌は腸管由来ということが分かってきました。
口から飲む善玉菌L.クリスパタス菌のサプリメントは腸内フローラを改善し、膣&子宮の菌の状態を改善すると考えられます。
子宮内フローラをよい状態に保つには、サプリメントだけでなく、毎日の食事も大切です。
日頃から腸内環境を良い状態に保つことは、膣と子宮のケアにつながり、妊活につながります。
妊娠出産を希望する女性は、膣&子宮内フローラを意識したサプリメントや食事を始めるといいでしょう。
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