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コラム
女性の薄毛治療にミノキシジル内服は絶対NG
2024.08.09
ミノキシジルは、米国アップジョン社が高血圧症治療薬として開発し、1979年に米国で降圧剤の内服薬として承認されました。ところが、副作用として多毛症が認められたため、改めて薄毛治療の外用薬としての開発が開始されました。その後、男性の薄毛=AGA治療薬としてFDA(食品医薬品局Food and Drug Administration)の承認を受けて発売され、日本でも、1999年に男性用薄毛治療薬としてミノキシジル外用薬は一般医薬品の承認を得て、現在販売されています。
一方、内服薬については、副作用が多く、薄毛治療には適さないので承認されませんでしたが、このミノキシジルの内服を薄毛、脱毛症の治療に安易に処方するクリニックが多い事に、私は疑問を持っています。
日本皮膚科学会の治療ガイドラインでは、※ミノキシジルの内服は「推奨度D.行うべきではない」と警告されています。
ミノキシジルの内服療法は、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められています!
その根拠は、
・ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない
・ミノキシジルは降圧剤として開発されたが日本では認可されていない
・男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国はない
それにもかかわらず、副作用で髪の毛だけではなく全身の毛が増えるミノキシジルを、医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので、医薬品医療機器等法の観点から問題視されています。
副作用には多毛症が認められると記載がありますが、その他の副作用には、胸痛・心拍数増加・動悸・息切れ・呼吸困難・うっ血性心不全・むくみや体重増加などの重大な心血管系障害が生じる事があります。
そのため、当院では、ミノキシジルの内服治療は一切行っておりませんし、服用している方には中止していただく事にしています!
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