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コラム
FAGAとは?
2024.08.11
女性の薄毛の原因の1つにFAGA(女性男性型脱毛症)とよばれる状態があります。FAGAは「Female Androgenetic Alopecia」の略で、発症時期も更年期におこることが多く、これは女性ホルモンの量が更年期で減少すると、相対的に男性ホルモン優位になるためと考えられています。しかし、男性ホルモンが優位になることだけで説明できない場合も多いため、近年では女性型脱毛症=FPHL(Female Pattern Hair Loss)と呼ばれるようになっています。(参照元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版)
FAGAのメカニズムとして考えられているのは
人間の毛根には、毛母細胞があります。毛母細胞は、毛乳頭という部分からの指令を受け、血液からの栄養素の受け取る役割を果たしています。FAGAの場合、毛乳頭にあるレセプターが、ジヒドロテストステロン(DHT)と結合することで起こります。
ジヒドロテストステロン(DHT)とは、男性ホルモンであるテストステロンが変性したものです。女性の身体にも存在するテストステロンは変性さえしなければ、毛髪に悪影響を及ぼすことはありません。男性の場合、頭頂部や額の生え際に多く、女性は頭皮全体に存在する5αリダクターゼ酵素とよばれる酵素が、テストステロンの変性の原因なのです。
テストステロンが変性し、ジヒドロテストステロン(DHT)になると、本来は毛髪の成長をうながすはずの毛母細胞に「毛の成長を止めろ」という誤った指令を出してしまいます。つまり、頭皮全体の毛髪が抜けていくFAGAが進行してしまうのです。
FAGAは膠原病や甲状腺疾患、貧血、栄養障害などで起こる上有家を除外した上で診断され、以下のようなことが要因であると考えられています。
実際は遺伝的な要素と環境因子が絡み合って発症しています。
原因1:加齢による女性ホルモンの減少
FAGAの主な原因の一つは、加齢による女性ホルモンの減少と考えられています。そもそも女性ホルモンのエストロゲンが正常に分泌されている場合、男性ホルモンであるテストステロンが毛髪に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。しかし早い人の場合、35歳前後でエストロゲンの分泌量が減少するので、今まで影響を及ぼさなかったテストステロンの働きが強まってしまうのです。
原因2:遺伝的な要因
遺伝的な要因も原因と考えられています。すべての女性が加齢にともなって脱毛するわけではなく、ジヒドロテストステロン(DHT)を受け入れるレセプターが有るか、無いかによるといわれています。現在も研究段階ですが、レセプターの有無は遺伝的要因に左右される場合が多いため、FAGAは母から娘に遺伝するケースがみられます。
原因3:自律神経の乱れ
自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れにつながっているため、FAGAの原因となります。自律神経の乱れは、ストレスの蓄積や睡眠不足などの生活習慣の乱れによって引き起こされます。
FGAGはAGAと同じ病態ではないため、AGAの治療をそのまま当てはめることは間違っていますので、原因をしっかりと調べてからそれに応じた根本的治療を受けることをおすすめします。
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