「ある日突然、髪の一部がごっそり抜けていた…」

そんな症状で受診される女性の中には、「円形脱毛症」と診断される方が少なくありません。

10円玉ほどの大きさで髪が抜けるイメージを持つ方が多いですが、実際には症状の現れ方はさまざまで、広範囲に脱毛が広がるケースもあります。

今回は、女性の円形脱毛症の原因や特徴、種類について詳しくご紹介します。

 

円形脱毛症とは?

円形脱毛症は、前触れなく突然髪が抜けてしまう脱毛症です。

脱毛部分は円形や楕円形になることが多いですが、必ずしも小さな脱毛斑だけとは限りません。

進行すると頭全体に広がったり、眉毛やまつ毛、体毛まで抜けてしまう重症例もあり、再発を繰り返すこともあります。

 

円形脱毛症の主な特徴

次のような症状がみられる場合は、円形脱毛症の可能性があります。

  • 突然抜け毛が増えた
  • 地肌が見える部分ができた
  • 脱毛部分の境界が比較的はっきりしている
  • 円形または楕円形に髪が抜けている
  • アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患を持っている

気になる症状があれば、早めに医療機関へ相談することが大切です。

 

原因はストレスだけではない

以前は「ストレスが原因」と考えられていましたが、現在では自己免疫の異常が大きく関係していることが分かっています。

本来、体を守る役割を持つTリンパ球という免疫細胞が、誤って自分自身の毛根を攻撃してしまうことで炎症が起こり、髪が抜けてしまうのです。

免疫バランスが乱れるきっかけには、

  • 精神的・身体的ストレス
  • 感染症
  • 手術やケガ
  • ホルモンバランスの変化
  • 全身疾患

などが関係すると考えられています。

新型コロナウイルス感染後に脱毛が起こるケースも、同様の免疫反応が関与しているとされています。

 

円形脱毛症の種類

円形脱毛症は症状によって分類されます。

単発型

最も多いタイプで、1か所だけ円形に脱毛します。

比較的軽症で、自然に改善することもあります。

多発型

複数の脱毛斑が同時に現れます。

脱毛部分が次第につながり、大きくなることもあります。

蛇行型

後頭部から耳の後ろにかけて帯状に脱毛するタイプです。

治療期間が長くなる傾向があります。

全頭型

頭髪全体が抜けてしまう重症型です。

自然回復が難しいケースもあり、専門的な治療が必要になります。

汎発型

頭髪だけでなく、眉毛・まつ毛・体毛まで脱毛が及ぶ最も重症なタイプです。

免疫異常が強く関与していると考えられています。

 

早期発見・早期治療が大切

円形脱毛症は放置すると脱毛範囲が広がることがあります。

「そのうち治るだろう」と様子を見るよりも、早い段階で診断・治療を受けることで改善が期待できるケースも少なくありません。

また、自己免疫だけでなく栄養状態やホルモンバランス、生活習慣など複数の要因が関係している場合もあるため、身体全体を総合的に評価することも重要です。

円形脱毛症は、突然起こる脱毛症ですが、その背景には自己免疫異常やストレス、感染症、ホルモンバランスの変化などさまざまな要因があります。

症状には軽症から重症まで幅広い種類があり、早期に適切な対応を行うことが発毛への近道です。

「最近抜け毛が急に増えた」「地肌が見える部分がある」と感じたら、一人で悩まず専門医に相談し、原因をしっかり確認することをおすすめします。