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コラム
フェミニンケア - デリケートゾーンのかゆみ(原因編)-
2022.08.11
デリケートゾーンのかゆみで一番多い理由は、汗やおりもの、月経血などで蒸れやすい環境ができ、生理用ナプキンや下着などの刺激やアレルギーが原因で、皮膚が“かぶれる”ことによるもの、つまり接触性皮膚炎です。
かぶれの場合は、原因になっているものを取り除くことや、通気性を良くすることでかゆみが改善します。
膣周りはどうしても汚れやすく、風とおしが悪くなる場所ですので、他の部位の皮膚よりかゆみやヒリヒリなどのトラブルが起こりやすい部位です。
今回は、デリケートゾーンのかゆみの原因についてお伝えします。
かゆみの原因はなんだろう...。
と不安になるかもしれませんが、ある程度ご自身で判断して対処できることもあります。
1)接触皮膚炎(かぶれ)
特定の物質との接触が原因で湿疹ができ、皮膚や粘膜にかゆみやヒリヒリ感といった炎症症状を引き起こす病気です。
接触皮膚炎の原因となる物質は大きく“化学的刺激”、“物理的刺激”、“アレルゲン”に分けられ、原因となる物質を取り除くと症状が改善します。
・化学的刺激……汗、腟分泌物、尿、せっけん、入浴剤など
・物理的刺激……衛生パッド、タンポンの紐、きつい衣服、合成繊維下着など
・アレルゲン……抗生物質、避妊具、衣服の染料、化粧品、衛生用品(ナプキン)など
かゆみの原因は身近なものにあります。使っている物を1つずつ見直して、別の物に変えてみることでかゆみを改善できるかもしれません。
2)萎縮性膣炎、外陰部萎縮
閉経後の女性や病気で卵巣を摘出した場合には女性ホルモンであるエストロゲン、卵胞ホルモンが減少するため、膣壁のコラーゲンが減るために、膣が薄く、乾燥が強くなります。これを萎縮性膣炎といいます。
閉経前までは女性ホルモンのおかげで、膣の壁が厚く、粘液が豊富で潤っていて雑菌も繁殖しにくい状態です。
健康な膣には主に6種類の常在菌が活動していて、その中でも乳酸桿菌(デーデルライン桿菌 )は、膣上皮のグリコーゲンを乳酸に変えて、膣をpH4.0前後の酸性に保ち、病原細菌の増殖を防ぐ役割を果たしています。これを膣の自浄作用といいます。ところが、閉経後に女性ホルモンが低下すると、乳酸桿菌が減少して膣のpHが上昇し、自浄作用が弱くなり、病原細菌が繁殖しやすい環境となります。また、膣が乾燥しているために下着がこすれるような、ちょっとした刺激でもかゆみ、ヒリヒリが起こり、傷から出血し、炎症が続きやすくなってしまいます。
これらの症状には当院のフェミニンケア外来をまず受けていただき、ホームケアをしっかりとすることで改善が期待できます。(→フェミニンケア外来へ誘導)
3)感染性膣炎
かゆみの原因が、カンジダや細菌、トリコモナス、ケジラミなどの感染症が原因であることもあります。デリケートゾーンの皮膚は唇のように薄く、敏感で、しかも下着などで常に覆われて、排泄や月経などで湿度や温度が高まり、むれやすく、汚れもたまりやすい場所です。そのため細菌やカンジダなどの真菌(カビ)などが繁殖しやすい条件がそろっています。
これらの感染をおこす病原菌のほとんどは、もともと腟や腸、皮膚にいる常在菌といわれる菌です。身体の免疫力がしっかりしていれば、悪さをする病原菌が増えないように、良い菌が膣の中も守ってくれています。腟内には乳酸菌がすんでいて、腟の中に他の病原菌が入ってこないようにしています。
カンジダも通常であれば、病原性のない「酵母型」をしていますが、免疫力が低下したり、膣内環境が乱れたりすると、「菌糸型」に変化して病気の原因となってしまいます。
では、免疫力が低下して、膣が感染しやすい状態とはどんな状態でしょうか?
疲れがたまっている、風邪をひいている、寝不足、食生活の乱れ、ストレス、抗生物質の内服、生理前(女性ホルモンにより腟内環境が変化するため)、腟内を過度に洗いすぎた、閉経後の乾燥がひどくなった時など、色々な要因が上げられます。
いかがでしたでしょうか?
突然に起こった、これまでにないような我慢できない強いかゆみや、いつもと違うおりもの、臭いなどがある場合には、ためらわずに近くの婦人科クリニックを受診して検査を受けましょう。
膣の感染症であれば検査をした後、それぞれの菌に応じた薬が処方されます。クリニック受診が恥ずかしいからと、自己判断で薬を購入して使ってしまうと、かえってひどくなることもあります。
普段から感染症を起こさないように免疫力を保つためには生活、食事などとともに免疫を高めるサプリメントをとることもおすすめです。また、日常的にデリケートゾーンのケアも同時に行いましょう。
次回は「かゆみ予防」についてお伝えします。
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