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コラム
糖化を促進する食べ物とは?
2023.12.18
果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖はブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあります。
異性化糖とは、果糖またはブドウ糖を主成分とする糖のことで、
サツマイモやトウロモコシ、ジャガイモなどのデンプンを酵素で糖化した後、
その一部を別の酵素で異性化させたものが成分となります。
“果糖”が多く含まれる果糖ブドウ糖液糖や高果糖液糖などは、
砂糖よりも価格が安いため、市販のジュースなどの清涼飲料水、
スポーツドリンク、ドレッシング、焼き肉のたれなどの
私たちの身近にある多く食品に配合されています。
果糖”は、食事や飲み物で摂取すると、消化酵素に分解されず、
そのままの形で腸から吸収されます。血液中に入ると、
大部分は直接細胞の中へと入っていきます。
ブドウ糖のようにインスリンが関与することはありません。
そしてブドウ糖の10倍以上も糖化を早めます。
「糖」といっても糖の種類によって体への吸収の早い糖と遅い糖があります。
これはそれぞれの分子構造が違うためです。
もっともシンプルなのは「単糖類」でブドウ糖と果糖などが該当します。
単糖類が2個結合すると「二糖類」となり、
砂糖や麦芽糖、乳糖などがこのグループになります。
数個~10個で「オリゴ糖」、それ以上は「多糖類」になります。
多くの種類の糖は、消化・吸収の過程でブドウ糖に分解されます。
基本的に構造が複雑なほど、消化・吸収はゆっくりになります。
ただし、同じ二糖類でも麦芽糖は分子の形から砂糖よりも
消化・吸収はずっと遅めです。
お菓子類に多く含まれている砂糖やブドウ糖は、
消化・吸収が速く、急激に血糖値を上げる食材の代表選手です。
市販のお菓子やアイスクリームに多く含まれている
果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖は、糖化のスピードを加速度的に早めます。
しかし、絶対にお菓子などの甘い食べ物を食べていけないのではなく、
食後のデザートとして適度な量であれば、糖化への影響は少ないということになります。
また、人間の舌は冷たい水分に溶けた糖の甘味にはかなり鈍感になります。
そのため市販の清涼飲料水やアイスクリームなどには
びっくりするほどの糖が入っています。
溶けたアイスクリームや気の抜けた炭酸飲料水の甘さに驚いたことはありませんか?
また健康的な飲み物と思われがちなスポーツドリンクにも
たくさんの糖が含まれ、アスリートたちの多くが虫歯になって問題となっています。
驚くべきことに350mlの缶コーヒーにはスティックシュガーに換算すると
実に7本分の糖が含まれているのです。
果物はどうでしょうか?という質問もよくされます。
食物繊維を多く含んでいるため、ジュースなどにせず、
ゆっくりと食べるのであれば問題ありません。
食物繊維やビタミンが多く含まれるグレープフルーツなどには、
血糖値を緩やかにする効果があるため、食前に食べることをオススメします。
もし甘いものが欲しくなったら、
出来るだけ果物などGI値の低い食品をお摂りいただくことをおススメします。
GI(グリセミックインデックス)とは、
どれくらいの速度で血糖値が上昇するかを数値化したものです。
ブドウ糖を基準値100としているので、
この数値に近いほど血糖値の上がる速度は速く、
低い数値ほどその速度は遅く、糖化リスクも低い食品ということになります。
糖化リスクだけを考えれば、
できるだけGI値の低い食品を摂取することが望ましいのですが、
それだけですと毎日の食事に彩りが欠け、美味しくなくなるどころか、
さらに栄養のバランスまで欠けてしまいます。
食事に低GI値(GI値60以下が目安)の食品を組み合わせることが大切です。
糖化リスクは血糖値が急激に上がることと高血糖の状態が長期に続くことで増大します。
糖化リスクを下げるには、
低GI値の食品を組み合わせて摂る食事がおすすめです。
例えば、高GI値の精白されたお米や小麦粉で作られたパンを主食にするなら、
低GI値の低い野菜や果物、豆類、乳製品などを組み合わせるなど。
バランスの良い食事を心がけていきましょう。
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